case_36

志望校に悩む母に対して
初志貫徹を貫いた息子の情熱

過去問の得点が合格平均に届かない…あせる母に息子がとった行動とは?

開成中合格

川手 当麻君(仮名)

 当麻さんの原動力は、クイズへの情熱だ。学校ではオリジナルのクイズノートを持ち寄って、友だちと自作の問題を出し合うほどのクイズ好き。開成中をめざしたのも、小4で行った文化祭でクイズ研究部主催のクイズ大会に参加し、「この部活に入りたい!」と思ったことがきっかけだった。
 お母様いわく「1つのことに夢中になって突っ走る性格」の当麻さん。本格的に受験勉強を始めると、成績は順調に推移した。しかし、次第に苦手意識のあった社会が足を引っ張るようになる。そこで、弱点克服のために選んだのがTOMASだった。「問題文を雑に読んで失点していたので、『線を引きながら読もう』と先生からアドバイスをもらいました」(当麻さん)。習った解き方を実践するうちに読み落としが減り、正答率の高い問題を確実に正解できるようになった。
 苦手を克服したことで成績は徐々に上向いたが、10年分解いた過去問は一度も合格点を超えずじまい。当麻さんは「一回寝たら切り替えられるので」と飄々と振り返るが、お母様は志望校を変えようと担任の先生に何度も相談したという。風向きが変わったのは、1月に受けた最初の入試。「はじめての入試を機に、生活面でも学習面でも自発的な行動が増えました」(お母様)。一度入試を経験したことで、当麻さんにラストスパートのスイッチが入った。
 「自信は全くなかったけど、あきらめるのはもったいないと思った」(当麻さん)。苦しいときは、クイズ研究部に所属する未来の自分をイメージして乗り越えた。最後まで諦めなかった理由を聞くと、「どうしても開成中のクイズ研究部に入りたかったから」。まさに初志貫徹、クイズへの情熱が手繰り寄せた合格だった。

中学受験情報誌『Schola』掲載の合格家族インタビューより
個人情報が特定できないよう編集し転載しています