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厳しい言葉を投げかけ続けた
父と子の奮闘記

最難関校をめざした
日々がもたらしたもの

麻布中合格

伊藤 早馬君(仮名)

 小学校低学年ですでに高3の数学まで一通り履修していた早馬君。小学校を退屈に感じている様子を見たご両親は、早馬君に適した環境を考えて最難関の筑駒受験を提案し、受験勉強を始めることになった。しかし早馬君自身も上位の学校をめざしたいという気持ちはあったようだが、ご両親いわく「いつまでも受験が他人事」だったそう。TOMASに入会したのも、あまり勉強をしたがらない早馬君に過去問演習の時間をきちんと確保させるためだった。幸い先生との相性もよく、毎回の授業を楽しみながら通うことができたという。
 「しっかり勉強すれば、もっと成績も上がるのに」という思いから、お父様が厳しい言葉を投げかけることもしばしば。コツコツ努力することを嫌い、マイペースで飄々としている早馬君に対して「受験に現実感を持たせることが一番大変でした。勉強しないと結果はついてこないよと言っても、実際に不合格を突きつけられないと伝わらないですね」とお父様は苦笑する。
 父と息子の押し問答はとうとう入試本番まで続いたが、再三にわたるお父様の忠告は現実となる。ラ・サール中、麻布中と余裕の白星をあげた早馬君も、本命の筑駒中は不合格となってしまったのだ。「おそらく学科試験はとれていて、調査書で出席日数や学校での取り組み不足が響いてしまったのではないかと。学力だけではどうにもならないことを経験して、今後につなげてくれたらと思います」(お父様)
 こうして麻布中への進学が決まった早馬君。入学者説明会の日、お父様は学校の門の前でこう告げた。「この門をくぐる以上は、6年間勉学を頑張る覚悟をもちなさい」。この言葉には自分が納得した道に進んでほしいというお父様の想いが込められていたが、当の本人は「覚悟はできているから大丈夫」とスキップして門を通り抜けていったそう。「拍子抜けしましたね。いまだに覚悟は感じられませんが(笑)」(お父様)
 受験を終えた今、早馬君は何を思うのか。受験をしてよかったことを尋ねると「上をめざすことで、人生の選択肢が増えるのはよいことだと思う」と将来を見据えた言葉が返ってきた。最難関校をめざしてきた日々が早馬君にもたらしたものは、決して少なくはなさそうだ。

一問一答|アイコン 早馬君とお父様に一問一答

question 併願校選びの基準は?

answer 麻布中は制服がなく、自由な校風を本人が望んでいたので。ラ・サール中は自分が九州で中学受験を経験しており評判をよく知っている学校でしたし、もし進学した場合は親元を離れて暮らすことになるので、人間的にも成長するだろうと考えて併願校に選びました。(お父様)

question 家での勉強場所は?

answer 自分の部屋です。「東大に受かる人はリビング学習をしている」という記事に影響されて一時期リビングでもやってみましたが、集中力が続かずに断念しました。(早馬君)

question 将来の夢は?

answer 東京ディズニーランドの運営を買収したいです。(早馬君)

中学受験情報誌『Schola』掲載の合格家族インタビューより
個人情報が特定できないよう編集し転載しています