2018.2.18

医学部入試最新分析
私立大編

2018.2.18開催 医学部入試ガイダンス in アルカディア市ヶ谷

1月16日の国際医療福祉大学の入試に始まり、これから後期日程に入る私立大医学部の入試。今年の入試を見ると、「習熟期に入り、番狂わせが一切なくなった」という感想です。昨年10月の校内模試で上位40~50人に入っている生徒が、軒並み合格を勝ち取っています。では昨年10月段階での成績を作っている時期はいつかと言うと、2017年の2月、3月でしょう。まさに今の勉強がそのまま来年の合格に繋がっていると認識すべきです。

今回の要点は...

2018年度私立大医学部入試を振り返って

私立大医学部入試は、ここ10年で大きく変わってきました。まず、受験者数が相当に増え、現在は10万人強が受験しています。合格人数は繰り上げも含めて7,500人くらいなので、倍率は10倍以上となっています。次に大きく変わったと感じる点は、これまで私立大医学部入試は学科の点数で合否がほとんど決まっていました。ところが、今は面接・小論文もかなり影響していると感じています。慈恵を例にとっても、2次試験で問われる内容はかなり変わりました。面接では、個人面接に加えMMI(multiple mini interview)というものが課され、複数の課題においていかにロジカルに自分の考えを論じられるかが見られます。小論文は1,200~2,400字で論理構成をしっかり見るようになりました。

こうしたことからも、医学部をめざすのであれば勉強一辺倒ではなく「心」を作ることが大切になってきたとわかります。社会的な “自分” を持っているかが試されているのです。付け焼刃の知識ではなく、たとえば高齢化社会における今の医療の課題はなんだろう、AIと医療の未来は? 救急車有料化の是非について、などさまざまな問題を考え、検討し、自分の意見を発表できるよう準備しておくことが重要です。メディックTOMASでは「医心道場」と称して、そういった対策の場を設けています。

また、医学部受験においてはとにかく精度が求められるということを忘れてはいけません。たとえば6割が合格ラインだといわれている学校では、6割をめざせばよいと思いがちですが、実際の得点率は「英語90 数学30 化学85 物理85」ということもあります。つまり、実は満点狙いの勉強をしているかどうかが問われており、基本の網羅性・精度がとても大切です。

「燃焼熱の定義を言ってみよ」と問うたとき、一言一句違えず「物質1molが完全燃焼する際に発生するエネルギー」と答えられる生徒はどれだけいるでしょうか。ある生徒は、講師から「満点取れるまでやってね」と出された課題に対し、「満点取れるのは当たり前。いかに短い時間で解けるか」と考え取り組んでいました。「医学部受験に、才能とか関係あると思う?」と聞くと「ない。やるだけですね」と答えました。

センター試験で正答率が50パーセント以上の問題を全部正解すれば、200点満点中180点になります。まわりの生徒が取れる問題をしっかり取れば合格点に届くということを忘れずに、丁寧に勉強していきましょう。

入試分析1 慈恵会医科大学

○ 英 語

大問が昨年度の6つから4つへと減りました。特徴のひとつであった難度の高い文法問題がなくなり、長文読解と英作文のみになりました。大問3が新傾向で、唯一医系題材でした。難易度は例年よりも易しいか標準的なもので、合格に求められる得点は高くなったと予想されます。

○ 数 学

難易度は例年並みか、やや易化しました。小問集合は解きやすい問題であり、どちらも落とせません。大問2、3の後半、大問4の前半がやや難しかったものの、大問2は日本医科大学で出題されたものの類問であったために、チェックしていた生徒にとっては有利だったでしょう。私立医学部の入試問題にはその年のトレンドがあり、他校で出た問題と類似のものが別の学校で出題されるということがしばしば見られます。受験したら受けっぱなしでなく、しっかり復習することが本当に大切です。

○ 物 理

大問3つ。例年に比べ、問題文の誘導が丁寧でわかりやすく、とても解きやすい設定の問題が多かったです。物理だけ見た合格ラインは例年より1~2割は高くなることが予想されます。ただし、来年度以降にまた難易度が元に戻ることも十分考えられるため、注意が必要です。

○ 化 学

例年通り、理論化学1問、無機化学1問、有機化学(高分子化合物含む)2問で構成される計4問。例年は、教科書範囲外の未知の化合物・現象についての問題文を読み、問題文に書かれている内容と学んできた知識とを結びつけて化合物の反応を推測して解答していく問題が多く見られましたが、今年は実験に関する問題の方が多く出題されました。この傾向は日本医科大学などでも見られるため、次年度以降はより注意していかなくてはなりません。

○ 生 物

他大学が軒並み易化している中で、難易度を維持。昨年は慶應のように図の下にある脚注が考察のヒントの問題を出し、今年は医科歯科のように知識をベースにした30字程度の記述が出題されました。広く併願校の入試問題にあたっておくことがそのまま慈恵の対策にもなってくるでしょう。また、慈恵では動植物関わらず遺伝を扱った問題が大きく出題されるため、早い段階で「苦手ではない」状態にしておくことが大切です。

入試分析2 順天堂大学

○ 英 語

2017年度入試と比べ変化はなく、長文4問に英作文1問という構成。英作文のテーマはSNSの是非をめぐるもので、昨年大手予備校の模試でよく取り上げられていたために、模試を受け続けてきた生徒にとっては解きやすいものだったでしょう。「学力がつくまでは模擬試験を受けるのがもったいない」と主張し模試を避ける受験生は少なくありませんが、トレンドをつかむためにも模試は定期的に受けましょう。

○ 数 学

昨年に比べ難易度は下がりました。大問1においても、小問が3つと例年に比べ少なくなっていました。大問2は破産の確率と呼ばれる問題で、無限級数が絡んできたために慣れない受験生にとっては難しかったでしょう。こういった部分でいかに得点していくかが勝負になったと思われます。

○ 物 理

例年に比べると計算がやや良心的になっていたものの、やはり物理学の理解力だけではなく数学的な計算処理能力が合否を分ける構成でした。こうした問題は一般的な問題集にはあまり掲載されていませんが、国公立大2次試験では頻繁に出題されているため、過去問を用いてトレーニングしておくことが有効です。

○ 化 学

マークシート式の問題Ⅰは大問4つからなり、それぞれに4~10前後の小問が含まれます。制限時間に対して問題数が多いため、難問をとばして解きやすい問題のみを手早く解き進めることが要されます。今年度は毎年出題される有機化合物の構造決定問題が出題されずに、記述式の問題Ⅱで有機化学が出題された点が例年と異なりました。

○ 生 物

選択式の大問4つはそれぞれ小問が3~7問に分かれていて、記述式は用語を答えるもの、計算問題、30字~40字の記述を小問8問で問われました。全体的に平易な問題が多いため、まずは教科書と図説を用いて知識を正確に、迅速に答えることが常にできるようにノートをまとめることが合格には必要不可欠でしょう。

入試分析3 日本医科大学

○ 英 語

大問5つ。全体的には例年よりかなり易化しましたが、日医特有の精度の高い読解力に対する要求は変化していません。英作文のテーマは「自分の性格をひとつ直すとしたらどうしたらいいのか」。書き出しの定型表現、ディスコースマーカーの知識と活用法を早い時期から準備しておくことが必要とされています。

○ 数 学

難易度としては前年並みとはいえ、「証明問題」や「数値評価」といった日本医科大特有の形式が出題されなかったために、例年比では易しい問題が多かった印象です。やや難度の高かった大問3と大問5で部分点をいかに積み上げられたかが合否を分けたと思われます。

○ 物 理

例年通り、大問4つで、形式や難易度にも大きな変更点はありませんでした。全体的に易~標準問題で構成されており、いかにミスなく速く正確に解くかが問われます。大問3の中盤以降のみ解きにくかったため、最低でも大問1・2・4を完答、大問3を中盤までしっかり解き8割を確保する必要があったと考えられます。

○ 化 学

大問4つですべて記述式という、例年通りの出題。大問ⅠとⅣでは条件を整理しにくい本学らしい出題でした。基本知識の定着と、問題文を読み取り正しく整理する力が重要です。

○ 生 物

大問3つで最後が考察問題という形式は例年通りでしたが、今年は最初の大問でも考察が出題されていました。最後の考察問題はインフルエンザウィルスをテーマにしたものでしたが、ウィルスや免疫の知識はまったく問われず、そのギャップに戸惑うかもしれません。また、大問1と2の最後には「順序」を答える問いが出題されており、内容自体は基本的なものでしたが受験者にとっては解きにくかったようです。

生徒による合格体験談

ここからは、メディックTOMASに通い見事現役合格を果たした3人の生徒が登壇。合格体験談を語ってくれました。

【登壇者】
Aさん
合格校:東京女子医科大学(一般推薦入試)
Rさん
合格校:京都大学(特色入試)
Mさん
合格校:東京女子医科大学(一般入試)

まずはそれぞれ、合格までの経緯を教えてください。

Aさん: 中学2年生の段階で医学部に行こうと決め、指定校推薦をめざしてずっと勉強していました。ところが、校内選抜で落ちてしまって。どうしようと思ってすっかり絶望していたところを、塾の先生と母が立て直してくれて、公募推薦に切り替えて頑張ることに決めました。志願書・小論文・面接…と、2カ月ほど先生と一心同体で頑張り、合格することができました。
Rさん: 私は高校3年生の春まで一般入試しか考えていなかったのですが、自身の評定平均(4.7)が京都大の出願資格を満たしていることを知り、思い切って受験を決めました。出願においては、作文コンクールで東京都1位になった新聞記事や、描いたイラストが表紙に選ばれた学園祭のパンフレットなどを同梱して送りました。書類選考で、出願者16名が10名に絞られました。小論文の試験はとても緊張したのですが、出題された「昆虫のからだはどうして大きくなれないか」というテーマについて、前に本で読んだことがあったので、自信を持って臨めました。
Mさん: 私は、去年の夏頃にメディックTOMASへ入学しました。春から数学の勉強を始め、秋から理科2科目を始めるというギリギリのプランでしたが、どうやったら1~2月の入試に間に合うのか先生方が一緒に考えてくれて、自分にあったスケジュールで計画を立ててくれたためとても心強かったです。受験が始まると、受験のたびに疲れきって自宅に帰ってしまっていたのですが、先生に復習にくるよう説得され、そのように変えました。結果、入試期間中も答案力があがっていき、女子医大と東京医科大の一次合格を勝ち取れたのでよかったです。

受験勉強を通してメディックTOMASのよかった点や役にたったことがあれば教えてください。

Aさん: 一人ひとりの逆算カリキュラムを作ってもらえた点が一番よかったです。推薦か一般かなど、人によって「今やるべきこと」は違います。私の場合、推薦のために学校の中間・期末をとても大事にしていました。メディックTOMASはそれを考慮して、中間・期末の前はその対策、というふうに初めからカリキュラムに組み込んでくれました。もちろん、小論文対策や面接対策もカリキュラムに組んでくれて、何本も付き合っていただきました。指定校推薦に落ちて、心底落ち込んでいた私を、「やるしかないんだよ」って引っ張り出してくれたのが先生方でした。本当に感謝しています。
Rさん: 推薦入試を考える前からお世話になっていたのは、定期試験対策です。京都大は必要評定平均が4.7以上と高く、学校の定期試験のレベルも高かったため、対策はとても重要でした。また、推薦受験を決めたのも突然といえば突然だったのですが、メディックTOMASの「医心道場」でさまざまなテーマを扱って教えていただけていたおかげで、急に方向転換しても対策にスッと入れたのだと思います。本など自分で情報収集することも大事だけれど、一度教えてもらったりディスカッションしたりすることで知識の入り方も違っていくなと実感しました。
Mさん: メディックTOMASの授業では、目の前で問題を解くので、どこで躓いたかなどを見てもらえます。普通に考えて、9月から理科2教科を始めて、本番に間に合わせるというのは無理があったと思うのですが、個別指導だからこそなんとかしてもらえたのだと思います。また、12月には集団での直前合宿に行ったのですが、5年分くらいの医学部頻出問題を集めたオリジナル教材があり、とても役立ちました。一緒に頑張る友達もできて、「朝は7:30から来ようね」と約束して朝から晩まで取り組んだこともよい思い出です。

3人に共通するのは、才能や能力が関係ない部分で勝負していったということ。「やれたらいいなあ」とか「もしかしたらうまくいくのかなあ」という “たら・れば” の話はやめて、一つひとつやること。それだけが、医学部合格に繋がることです。

受験の第一歩は、暗記から。量で負けない、質で負けない。本物の勉強をしていきましょう。